美術史学会シンポジウム
「美術館・博物館の新たな公共性を求めて
― 指定管理者制度・NPO・地域社会」
ご案内
日時 : 2005年4月16日(土)10:45-16:30 会場 : 東京都美術館講堂(台東区上野公園) 主催 : 美術史学会 後援 : 全国美術館会議、文化資源学会、日本ミュージアム・マネージメント学会
プログラム ▽あいさつと趣旨説明(10:45-11:00) ▽第1部:中からの取り組み(11:00-12:30) 報 告
- 小松崎拓男(広島市現代美術館)「変わる美術館制度〜指定管理者制度下の新しい美術館マネージメン トの課題」
- 黒沢伸(金沢21世紀美術館)「みんなでつくる美術館」
- 清水実(三井文庫)「日本橋再開発のなかの三井記念美術館」
▽第2部:外からの提言」(13:30-14:40) 報 告
- 小林真理(東京大学)「現代のパトロンは誰か〜指定管理者制度の導入とミュージアムへの期待」
- 池田修(PHスタジオ/BankART1929)「公設民営の新しい可能性-BankART1929の活動を通して」
▽総合討議(15:00-16:30) 司 会
- 中村誠(埼玉県立近代美術館)
【開催趣旨】いま、日本の美術館・博物館はおおきな転機に立っています。長引く経済不況の中で、閉館を余儀なくされる館もあります。また、一昨年の地方自治法の改正にともなう「指定管理者制度」の導入は、公的な美術館・博物館の運営体制の転換を要求し、その選別淘汰すらうながすものです。いったい、このような変化の中で、美術館・博物館が保存する貴重な文化遺産はどうなるのでしょうか? 研究や教育の体制はどうなるのでしょうか? その公共的な使命はどこにいってしまうのでしょうか?昨年5月8日に、美術史学会はシンポジウム「美術館・博物館はなぜ必要か」を開催しました。これは芦屋市の美術博物館が存亡の危機に陥っている状況をきっかけに、今日の日本社会における美術館・博物館の役割について議論を提起したものでした。今回のシンポジウムはそれを踏まえつつ、「指定管理者制度」の導入を視野に入れながら、美術館・博物館の必要性が多くのひとびとによって共有されるような新たな在り方を探る機会にしたいと考えます。国公立であると私立であるとを問わず、美術館・博物館は、貴重な文化遺産を次の世代に守り伝え、その価値を社会に普及させるという公共的な使命を持っています。しかしながら、この本来、自明であるべき基盤が、今日、行政改革における規制緩和や民営化などの大きな動きの中で、ないがしろにされ、営利的な論理に従属させられようとしています。他方ではまた、都市や地域社会の再開発、活性化のために、文化遺産や文化施設を有効なツールにするという動きも広まっています。今回のシンポジウムは、こうした大きな変化の中で、美術館・博物館は、どのような戦略、行動をとるべきか、美術館・博物館が地域社会の中で公共性を維持し、さらに高めてゆくためにどのような仕組みや枠組みがあるかを議論し、追求することを目指しています。
- 定員250名(先着順)
- 事前の申込みは必要ありません。
- 一般の誰もが参加になれます。
- 問い合わせ先
筑波大学守屋研究室 守屋正彦
hikom@geijutsu.tsukuba.ac.jp
hikom@mtc.biglobe.ne.jp
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